質問者:田代さん
仙腸関節のモビリティが上がることで、仙腸関節炎等を誘発しやすい事例の対応を相談させてください。
ケースは私で、体芯力のおかげで劇的に骨盤のモビリティは上がったと感じています。
でも、動かせるようになっただけで使えていなかったので、体重程度の負荷のスクワットやデッドリフトで仙骨付近が痛むようになりました。
自分の状態を確認する検査動作や、もう一度試してみる優先項目などがあればご助言お願いします。
対象者:田代さん(本人)
既往歴:眼底骨折した影響で右目の視力が低く、左右の視力差を消すために右目だけ緩く度を入れたメガネを使う
状態:骨盤のモビリティは上がったがスクワットやデッドリフトをすると仙骨付近が痛む(腰椎ではなく仙骨に負荷がきはじめた)
考えられる原因:腰を反らせる指導の下でトレーニングをしているため
行ったアプローチ
・ミラー関節→効きにくい(四肢ではないため)
・ボディマッピングの補助も行える引っ張らない系列のキネシオテーピングで緩和対応
・呼吸ケア
・膝腰同側の体操
・右目からの緊張ケア
結果
痛みの緩和には繋がっているが回復しきれず
回答者:久場さん→質問者:田代さんへの問診
①仙腸関節の痛みがでているのはどちら側?
→A:左右ともに痛みあり(左側が強い)
②痛みの出ている股関節の可動性は?
→A:以前から左股関節の違和感がある(パドリックテストを自分で行うと、左股関節の開きが悪い)
原因:3か月前股関節を外転させ、関節窩に骨頭をはめようとした時過剰にやりすぎて痛めた
③腸骨、関節窩に対する大腿骨頭のモビリティーの動きが悪く、腸骨の過剰な動きによる仙腸関節の痛みでは?
→A:この要素は入っていると思う
剣道の練習であえて左右差を作る動きも多用していたためかもしれない
練習内容:左右非対称軸を活用する武士の歩行・左股関節と左仙腸関節を軸に右腰と右膝を出す動き
④骨盤固定での大腿骨の動き(股関節)の左右差は?
→A:左の前腸骨稜の内側を触ると、右に比べ明らかに張りが強く腸骨筋の拘縮が感じられる
⑤多裂筋の硬さとかは、動きはどう?
・硬さが強くて仙骨前傾位が過剰な場合
→相対的に腸骨の後傾が出て関節の求心位がとれないための痛み
・多裂筋が効いていない場合
→仙骨をニュートラルな位置に保持できず、仙骨後傾で靱帯も緩みやすいため仙腸関節のハイパーモビリティーによる痛み
⇩
仙骨との繋がりで、胸骨の動きやアライメントはどう?
→A: HIT!
ありがとうございます。おそらく、これがビンゴだと思います。
実は、スクワットとデッドリフトで痛めたと思い込んでいましたが、一番負担があったのはベンチプレスでした。
Q:田代さん→A:久場さん
指導されている胸を反らすポジションを取る際に胸椎のモビリティが不足していて、動かない胸椎をカバーする時に腰椎や仙骨付近を無理に反らせていたようです。
その結果、仙腸関節をねじっていたみたいでした。
改めてトレーニングした際に、ノーマークだったベンチプレスが原因だとわかり考えを整理しようとしていたら、久場さんが見事に言語化して的中してくださったので感動しています。
ありがとうございました。
回答者:亮司さん
左の小脳の働き、脊椎と眼の動きの繋がりからの影響と思われます。
僕自身も左眼窩底骨折(ブローアウト骨折)をしていて左半身の可動域の狭さや違和感が出ることが多いのですが、左の指の動きや左の複雑な動きを行うと一時的ではありますが視野が広がります。
アプローチ提案
①ミラー関節:仙腸関節のミラー関節である頚椎の動きを一通りやる
→どこかに違和感があれば、その部分を中心に動きを出すことを試してみる
②胸椎伸展の動きを出す
→仙腸関節の負担が減少することが期待できる
③シャフトのみのベンチプレスでアーチを作る練習をして胸椎伸展感覚を養う
→本当に胸椎伸展の出来たアーチが作れると上から乗られても大丈夫
この際に肩甲骨は寄せず、肩幅外旋して、下げて脇に力(広背筋から前鋸筋?)が入る感覚があると良い(ちょっと文章だとわかりにくいかも😅)
Q:田代さん→A:亮司さん
・自分で動かして触れると頚椎4番5番の左側に違和感あり
・左回旋、左屈曲ともに可動域狭い
・神経スラッキングと皮膚表面刺激によるマッピングを実施
(※スラッキングとは→ストレッチの逆で関節周辺を縮めることで神経にたるみをもたせ、回復する技術)
・仙腸関節の痛みは減りキャットカウなど可能に
・呼吸と横隔膜、肋骨周辺を胴体力の側屈などで緩める
⇩ 結果
胸椎の動きが改善!
まだ完全に抜けていませんが、現場からは以上です。
A:亮司さん→Q:田代さん
有難うございます!
いつか補講の中で筋トレに関する体芯力の活かし方などやりましょう!
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